第一性の遡及的成立

構造と構造項の相互構成は循環するのか⑳――階層的個体化と構造的全体の統一・境界条件

はじめに「第一性の遡及的成立」において、構造と構造項の相互構成は、理論の中心をなす論点の一つである。これまでの議論では、次の二つの関係を区別してきた。C:構造項から構造の具体的実現へ向かう構成関係I:構造から構造項の個体化へ向かう個体化関係...
第一性の遡及的成立

原初的差異の存在論的基礎⑲――前個体的差異場はいかにして個体性を可能にするのか

はじめに「第一性の遡及的成立」の第18回では、個体化根拠充足原理を検討し、個体性の成立を存在論的に説明しようとする理論は、その個体性を構成する実在的な根拠を提示しなければならないという原理を確立した。その際、スコトゥスのこのもの性(haec...
第一性の遡及的成立

個体化根拠充足原理の正当化⑱――原始的個体性とスコトゥスのこのもの性

はじめに「第一性の遡及的成立」のこれまでの研究では、個体性が構造的な秩序によって成立するという構造的個体化存在論を構築してきた。その基礎には、個体性を無条件の事実として措定するのではなく、その個体性を成立させる根拠を明らかにしなければならな...
第一性の遡及的成立

第一性の遡及的成立の固有性⑰――構造・個体性・優先性を統合する存在論

はじめに――第一性はなぜ遡及的に成立するのかこれまで「第一性の遡及的成立」を成立させるために、三つの論証を構築してきた。第一の論証では、個体性が成立するための存在論的な基礎を検討した。その結果、個体性を説明するためには、独立した個体の集合を...
第一性の遡及的成立

相互構成における非対称的な基礎づけ⑯――構造・構造項・統一条件の論理

はじめに――相互構成から第一性はどのように成立するのか前回の論考「第一性の遡及的成立は何を遡及的に成立させるのか――構造・個体性・優先性の三水準」では、構造的個体化存在論の存在論的基礎を確定した。その結論は、あるものが一つの個体として成立す...
第一性の遡及的成立

第一性の遡及的成立は何を遡及的に成立させるのか⑮――構造・個体性・優先性の三水準

はじめに――14回の議論を、一つの存在論として統合するこれまで私は、「第一性の遡及的成立」という哲学理論を構築するために、14回にわたって議論を重ねてきた。当初の問題意識は、あるものが特定の構造において第一のものとして成立するためには、その...
第一性の遡及的成立

スピノザの複合個体における構造的個体化と第一性⑭――「第一性の遡及的成立」の具体的検証

1. 分析の出発点と、最初に確認しておくべきこと今回の分析対象として、スピノザの『エチカ』第二部定理13の後に置かれた物理学的考察(以下、物理学的補論)を選ぶことは適切だと思う。特に重要なのは、複合個体の定義と補助定理4〜7、そして補助定理...
第一性の遡及的成立

相互構成の論理⑬――構造と構造項は、どのような意味で説明上の循環ではないのか

はじめに――相互構成と説明の循環を区別する「第一性の遡及的成立」を存在論として完成させるために、最後に解決しなければならないのが、構造と構造項の相互構成の問題である。これまでの議論では、四つの基本原理から、あらゆる個体的存在者が構造的な個体...
第一性の遡及的成立

構造的個体化の不可欠性⑫――なぜ限定性と差異を持つ個体性は、必ず構造的秩序を必要とするのか

はじめに今回の論証で最も重要なのは、次の推論を完成させることだ。存在者が一定の存在者として成立するためには、限定性が必要である。限定性は、その存在者が他のあり方から区別されることを意味する。しかし、区別されることと、他の存在者に依存すること...
第一性の遡及的成立

個体化根拠充足原理の正当化⑪――なぜ個体性を無根拠な事実として置くことを拒否するのか

はじめに――「第一性の遡及的成立」を完成させるためにこれまで私は、「第一性の遡及的成立」という哲学理論を構築し、その存在論的基礎として、あらゆる存在者が構造的な個体化根拠を必要とするという立場を提示してきた。この理論の中心的な主張は、ある存...