はじめに――相互構成から第一性はどのように成立するのか
前回の論考「第一性の遡及的成立は何を遡及的に成立させるのか――構造・個体性・優先性の三水準」では、構造的個体化存在論の存在論的基礎を確定した。
その結論は、あるものが一つの個体として成立するためには、独立した個体の集合を最初から前提するのではなく、差異化された契機とそれらの関係的秩序を基礎としなければならないというものだった。
そして、存在論的な成立順序を、次の三水準に整理した。
- 構造の成立。
- 構造内部における個体性の成立。
- 構造内部における第一性の成立。
これによって、構造的個体化存在論と「第一性の遡及的成立」の関係は明らかになった。
しかし、ここからさらに解決しなければならない問題がある。
それは、構造と構造項が相互に構成されるにもかかわらず、なぜ両者のあいだに非対称的な優先関係が成立するのかという問題である。
これまでの議論では、二つの関係を区別してきた。
- 構造項が構造を構成する関係。
- 構造が構造項を個体化する関係。
前者は構造の成立に関わり、後者は項の個体性の成立に関わる。
しかし、二つの関係が異なる規定次元に属するというだけでは、非対称的な優先性が証明されたことにはならない。
例えば、あるものが別のものの構成に参与し、同時にその別のものによって規定されるとしても、そこから直ちに一方が他方より優先するとはいえない。
したがって、今回はさらに踏み込む必要がある。
本稿の目的は、相互構成という事実から、どのような条件のもとで非対称的な基礎づけが成立するのかを論証することである。
そのために、まず構造を構成する差異化された契機と、構造によって個体化される項との違いを厳密に定義する。
次に、構造的全体の統一条件Uが、独立した統一原理を追加することなく、差異化された契機と関係的秩序そのものから成立することを示す。
さらに、構造の具体的な成立と、構造内部の個体の同一性決定とを区別し、構成要素の交換可能性と構造的秩序の維持条件から、非対称的な優先性を導く。
ここで明らかにしたいのは、構造が構造項に先立って独立に存在するということではない。
むしろ、構造と構造項が相互に成立条件となっているにもかかわらず、個体の同一性を決定するという規定次元では、構造的秩序が構成項の物質的同一性に対して優先するということである。
この非対称性を証明することによって、「第一性の遡及的成立」の中心的な存在論的関係を完成させたい。
1.相互構成だけでは非対称性は導かれない
まず、これまでの議論を一つ修正する必要がある。
構造と構造項の関係を、単に次の二つの方向で表したとする。
構造項 → 構造
構造 → 構造項
この二つの矢印を区別するだけでは、非対称的な優先性は導かれない。
なぜなら、二つの関係が異なる意味を持つことと、一方が特定の規定において他方より優先することは、別の命題だからである。
例えば、構造項が構造の成立に参与し、構造が構造項の成立に参与するという相互依存だけを認めるならば、両者の関係は相互的である。
ここには、まだ第一性は存在しない。
したがって、相互構成を非対称的な基礎づけへと発展させるためには、さらに一つの条件が必要になる。
それは、両者のあいだで、何が変化しても同一性が維持され、何が変化すれば同一性が失われるのかという条件が非対称的であることである。
この条件を明らかにするために、まず構造と構造項の関係を、存在論的な資格の違いから定義し直そう。
2.差異化された契機と個体化された項は何が違うのか
第13回では、構造を構成する項は、すでに独立した個体として完成している必要はないと論じた。
しかし、この区別をさらに厳密にする必要がある。
ここでいう「差異化された契機」と「個体化された項」は、必ずしも別々の二つの存在者を意味しない。
それは、同じ構造的な契機を、異なる存在論的な規定水準から捉えたものである。
2.1 差異化された契機とは何か
差異化された契機をmとする。
mは、ある構造的全体の内部において、他の契機とは異なる位置や役割を持つものとして区別されている。
ただし、この段階では、mが独立した個体として何であるかを確定する必要はない。
例えば、ある構造にAとBという二つの位置があるとする。
このとき、AとBは、それぞれ独立した個体として確定しているから区別されているのではない。
構造内部に異なる位置が成立していることによって区別されている。
つまり、mにおける差異は、個体の数的同一性ではなく、構造内の分節に関わる。
ここでは、契機が何であるかということよりも、どのような差異が構造内部に成立しているのかが問題になる。
したがって、差異化された契機は、独立した個体として完成している必要がない。
2.2 個体化された項とは何か
これに対して、個体化された項をxとする。
xは、構造内部の特定の位置を占め、その位置に対応する役割や同一性条件を持つものとして成立している。
例えば、ある身体が複合個体の部分として成立している場合、その身体が単に複合個体の内部に存在することだけでは、部分としての個体性は確定しない。
その身体が他の身体とどのような運動伝達関係に入り、どのような位置や役割を担っているかによって、複合個体の部分として何であるかが規定される。
したがって、同じ身体でも、それ自体で一つの個体であることと、別の複合個体の部分として成立することは異なる。
前者の個体性は、その身体自身の構造的秩序に関わる。
後者の個体性は、より包括的な構造における位置や役割に関わる。
このような階層的な個体化を認めれば、ある項が一つの水準では個体でありながら、別の水準では構造を構成する契機として参与することが可能になる。
2.3 二つの概念の厳密な区別
以上から、両者の違いは次のように定義できる。
| 概念 | 存在論的な意味 | 必要な規定 |
|---|---|---|
| 差異化された契機m | 構造内部における区別された位置・役割 | 構造内の差異 |
| 個体化された項x | その構造内で特定の同一性を持つもの | 位置・役割・同一性条件 |
差異化された契機は、個体化された項の成立に必要な構造的な位置を示す。
個体化された項は、その位置を占めることによって一定の同一性を持つ。
この違いは、時間的な前後関係ではない。
mが時間的に存在した後でxに変化するということでもない。
同一の存在論的な事態を、構造の構成という側面から見ればmであり、構造内部における個体化という側面から見ればxである。
形式的には、次のように表すことができる。
I(S, mᵢ → xᵢ)
これは、構造Sの内部にある契機mᵢが、その位置と役割を規定されることによって、個体化された項xᵢとして成立することを意味する。
したがって、構造を構成する際に必要なのは、すでに完成した個体の集合ではない。
必要なのは、構造を成立させる差異化された契機である。
そして、その契機が個体として何であるかは、構造内部の秩序によって規定される。
ここで、相互構成の循環を生み出す前提は取り除かれている。
3.構造的全体の統一条件Uは何によって成立するのか
次に、構造的全体の統一条件を論証する。
第13回以来、構造Sを次のように形式化してきた。
S = 〈M, R, K, U〉
ここで、
- M:差異化された契機。
- R:契機間の関係。
- K:関係や変化を規定する制約。
- U:それらを一つの構造として統合する条件。
しかし、この表記には一つの問題がある。
UをM、R、Kと並ぶ独立した構成要素として理解すれば、次の疑問が生じる。
M、R、Kを一つの構造に統合するU自身は、何によって一つのものとして成立しているのか。
もしUの統一性を別の原理によって説明するならば、その原理にもさらに統一条件が必要になる。
このように考えると、統一条件を説明するための新たな統一条件が無限に必要になる。
そこで、Uの位置づけを修正する必要がある。
Uは、構造を構成する独立した第四の要素ではない。M、R、Kのあいだに成立している関係的な統合を表す条件である。
したがって、厳密には、構造を次のように表す。
S = 〈M, R, K〉
そして、
U(S)
を、M、R、Kが一つの構造的領域を形成していることを示す統合条件とする。
この修正によって、Uを新たな存在者として措定する必要がなくなる。
では、Uは具体的に何によって成立するのだろうか。
3.1 構造的な結びつきと単なる関係を区別する
まず、あらゆる関係が構造を形成するわけではないことを確認しなければならない。
例えば、二つの存在者AとBが同じ場所に存在しているとしても、それだけで両者が一つの構造を形成していることにはならない。
また、Aが偶然にBを観察しているという関係が存在しても、その関係がAとBの存在論的な個体性を規定していないならば、それだけで両者を一つの構造的全体として扱うことはできない。
そこで、ここでは構成的関係を次のように定義する。
ある二つの契機のあいだの関係が構成的であるとは、一方の位置・役割・許容される変化が、他方との関係によって規定されていることを意味する。
この場合、関係は単に二つのもののあいだに付随しているのではない。
それは、両者が構造内部でどのような位置を占めるのかを規定している。
このような関係を、構成的関係Rᶜとする。
形式的には、
mᵢ Rᶜ mⱼ
とは、mᵢとmⱼのあいだに、少なくとも一つの構成的な相互制約が成立していることを意味する。
ここで重要なのは、構成的関係が必ずしも双方向の因果作用を意味しないことである。
一方が他方の許容可能な状態を制約する場合もあれば、両者が相互に制約し合う場合もある。
重要なのは、両者が同一の構造的な制約体系に組み込まれていることである。
3.2 構造的全体の統一条件を定義する
ここで、構造的全体の統一条件Uを、構成的関係の連結性と閉包性によって定義する。
まず、Mに属する契機を頂点とし、構成的関係Rᶜによって結びつけられる契機のあいだに辺を置く。
このようにして、構成的な依存関係のネットワークを考えることができる。
Uが成立するためには、次の二つの条件が必要である。
第一条件:連結性
Mに含まれる任意の二つの契機mᵢ、mⱼのあいだに、構成的関係を通じた経路が存在すること。
つまり、Mの内部に、構成的な関係から完全に切り離された契機が存在してはならない。
形式的には、
∀mᵢ,mⱼ∈M, mᵢ⇝mⱼ
と表せる。
ここで、⇝は直接的な関係に限らず、複数の構成的関係を介した連結を意味する。
第二条件:構成的閉包性
Mに含まれる契機の位置や役割を規定するために不可欠な関係と制約は、Mの内部に含まれていなければならない。
もし、ある契機の構造的な位置を規定するために、Mの外部に存在する契機との関係が不可欠であるならば、その外部の契機も、より広い構造的領域の構成要素として含めなければならない。
ただし、ここでいう閉包性は、構造が外部からのあらゆる因果作用を受けないという意味ではない。
外部からの影響が存在しても、それが当該構造の内部的な位置や役割を成立させる構成条件でなければ、必ずしも構造の内部に含める必要はない。
閉包性が要求するのは、構造的な位置と役割を規定するために不可欠な関係についての閉包である。
したがって、Uは次のように定義できる。
定義:構造的統一条件U
U(S)が成立するのは、構造を構成する差異化された契機Mが、構成的関係Rᶜを通じて一つの連結した領域を形成し、かつ、それらの契機の構造的な位置と役割を規定するために必要な関係と制約が、その領域の内部に閉じている場合である。
この定義によって、Uは独立した統一者を必要としないことが分かる。
構造的全体の統一性は、関係的・制約的な秩序そのものに成立しているからである。
3.3 なぜ連結性と閉包性から統一性が成立するのか
ここで、一つの疑問が残るかもしれない。
複数の契機が連結され、構成的な関係が閉じているとしても、それらが本当に一つの全体であるとは限らないのではないか。
この反論に答えるためには、二つの異なる意味での統一性を区別しなければならない。
一つは、複数の契機が一つの関係的な領域に属しているという構造的統一性である。
もう一つは、それらの契機が一つの個体の部分として統一されているという個体的統一性である。
今回のUが保証するのは、前者である。
連結性が成立しているということは、構成的な関係の観点から、Mの内部に互いに切り離された複数の領域が存在しないということである。
閉包性が成立しているということは、Mの内部にある契機の規定に必要な構成的条件が、Mの外部に無制限に依存していないということである。
したがって、Mは一つの関係的・制約的な領域を形成している。
ここに構造的統一性が成立する。
そして、この統一性を成立させるために、さらに別の統一者を置く必要はない。
なぜなら、統一性は、諸契機の関係的な連結そのものだからである。
もし、構成的関係によって連結されていない二つの領域を、一つの構造だと主張するならば、その二つを一つにまとめる追加的な根拠が必要になる。
しかし、そのような根拠が存在しない場合には、両者を異なる構造として区別すればよい。
したがって、Uは任意に与えられる統一性ではなく、構成的関係によって成立する領域の境界を示している。
この意味で、構造的全体の統一条件は、その全体の内部にある関係的な秩序から導かれる。
3.4 Uと個体の同一性条件は異なる
ここで、さらに重要な区別を導入する。
Uが示すのは、構造的な領域が一つの連結した秩序を形成していることである。
しかし、それだけでは、その構造が時間的な変化を通じて同一の構造として維持される条件までは示されない。
この問題は、Uとは別にKの役割によって扱わなければならない。
Kは、構造内部の関係がどのような変化を許容し、どのような変化によってその関係的秩序が失われるのかを規定する。
したがって、
- Uは、構造が一つの関係的領域として成立するための条件である。
- Kは、その構造内部で許容される関係や変化の条件である。
- 構造的不変性Σは、Kの制約のもとで維持される関係的な形式である。
この三つを混同してはならない。
構造が一つの領域として統一されていることと、同一の構造的秩序が変化のなかで維持されることは、異なる問題だからである。
ここで、構造的統一性と個体の同一性を区別することによって、Uに個体性を密輸入することも避けられる。
4.構成関係と個体化関係の非対称性を形式的に定義する
以上の議論を踏まえ、構造と構造項の関係を改めて定式化しよう。
まず、構造Sを次のように表す。
S = 〈M, R, K〉
ここで、
- Mは差異化された契機。
- Rは構成的関係。
- Kは関係を規定する制約。
- U(S)はM、R、Kが一つの構造的領域を形成するための条件である。
さらに、構造内部の各位置を占める個体化された項をxᵢとする。
ここで、二つの関係を区別する。
4.1 第一の関係:構造の構成
構造の具体的な成立には、差異化された契機が現実の作用や関係に参与することが必要である。
構造は、空虚な形式として単独で存在するのではない。
そこには、実際に関係を形成する契機が必要になる。
したがって、構造の具体的な実現は、構造項の活動や相互作用によって成立する。
これを構成関係Cとする。
C(〈x₁,x₂,...〉, R, K; s)
これは、複数の項とその相互作用が、具体的な構造的実現sを成立させることを意味する。
ただし、ここでxᵢの個体性が、そのまま構造Sの内部での個体性になるわけではない。
各項は、下位の構造において個体として成立していても、上位の構造においては、別の位置や役割を持つ契機として参与する。
したがって、構造の構成において必要なのは、項が構造から完全に独立した個体として、その物質的同一性を保持していることではない。
必要なのは、それらが構造の具体的な実現に参与し、関係的な秩序を形成することである。
4.2 第二の関係:構造による個体化
次に、構造内部の位置を占める契機が、どのような個体として成立するのかを考える。
ある契機mᵢが、構造Sの内部で特定の位置と役割を持つとき、その位置と役割は、構造の関係的秩序によって規定される。
この関係を個体化関係Iとする。
I(S, mᵢ → xᵢ)
これは、構造Sの内部にある契機mᵢが、その構造に固有の関係的な位置と役割を通じて、個体化された項xᵢとして成立することを意味する。
ここで構造が規定するのは、項の存在そのものではない。
項がその構造において何であるかという、構造内部の個体性である。
したがって、構成関係Cと個体化関係Iは、異なる存在論的な役割を持つ。
| 関係 | 方向 | 基礎づけるもの |
|---|---|---|
| 構成関係C | 項の作用・相互関係 → 構造の具体的実現 | 構造の現実的な成立 |
| 個体化関係I | 構造的秩序 → 構造項の個体性 | 項の位置・役割・同一性条件 |
この違いは、単なる言葉の区別ではない。
構造の具体的な実現を説明する場合には、実際に関係を形成する項や作用が必要になる。
しかし、構造内部の個体性を説明する場合には、その項がどのような位置や役割を持つかを規定する構造的秩序が必要になる。
つまり、説明されるべき対象が異なるのである。
4.3 構造の形式と具体的実現を区別する
ここで、相互構成の論理をさらに厳密にするために、構造の形式と具体的実現を区別する。
同じ構造的秩序が、異なる構成要素によって実現される場合がある。
例えば、ある複合個体を構成する身体が交代しても、その身体相互の運動伝達関係が維持されるならば、複合個体は同一の個体として存続しうる。
このとき、具体的に存在する構成要素は変化している。
しかし、個体性を成立させる構造的な形式は維持されている。
したがって、次の二つを区別しなければならない。
- 構造の形式S*:一定の関係と制約によって定義される構造的秩序。
- 構造の具体的実現s:その形式を現実に実現している構成要素とその相互作用。
構造の具体的実現は、構成要素なしには成立しない。
しかし、構造の形式は、特定の構成要素の物質的同一性に還元されない。
ここで重要なのは、構造の形式を、構成要素とは別に存在する独立した実体として考えないことである。
S*は、独立して存在する何かではない。
それは、異なる具体的実現を通じて維持される関係的・制約的な不変性を示す。
この区別によって、構造が項によって実現されながら、項の物質的同一性に対して優先性を持つことが可能になる。
5.構造的秩序の同一性決定上の優先性を導く
ここからが、本稿の中心的な論証である。
構造と構造項が相互構成的に成立していることは確認できた。
しかし、非対称的な優先性を証明するためには、構造的秩序と構成要素とのあいだで、同一性の維持条件がどのように異なるのかを示さなければならない。
5.1 構成要素の交換と構造的秩序の維持
ある複合個体Iを考える。
Iは、複数の構成要素x₁、x₂、x₃によって実現されているとする。
そして、それらの関係的秩序をS*とする。
このとき、構成要素の一部が交換されたとしても、S*が維持されるならば、Iは同一の個体として存続することができる。
つまり、Iの同一性は、構成要素の数的同一性に完全には依存していない。
重要なのは、構成要素が交換された後も、個体性を成立させる関係的・制約的な秩序が維持されていることである。
ここでは、構成要素の物質的同一性が変更可能である一方、構造的な不変性は維持されなければならない。
このことは、両者のあいだに同一性決定上の非対称性が存在することを示している。
5.2 構造的秩序の変更と個体の同一性
逆の事態を考えよう。
先ほどと同じ構成要素が存在しているとしても、それらの関係的秩序が変更され、個体性を成立させていた構造的条件が失われたとする。
この場合、同じ構成要素が残っていたとしても、同じ複合個体が存続しているとはいえない。
例えば、ある身体を構成する複数の身体が、それまでとは異なる運動伝達関係に入り、以前の個体を成立させていた秩序が失われたとする。
その場合、物質的な構成要素が残っているとしても、元の複合個体はそのまま存続しているわけではない。
つまり、構成要素の同一性は維持されていても、構造的秩序が失われれば、個体の同一性は失われうる。
ここで、二つの変化を比較してみよう。
| 変化 | 構成要素 | 構造的秩序 | 個体の同一性 |
|---|---|---|---|
| 構成要素の交換 | 変化する | 維持される | 維持されうる |
| 関係的秩序の破壊 | 維持される場合がある | 失われる | 維持されない |
この比較から、個体の同一性を決定するうえで、構成要素の物質的同一性よりも、構造的秩序の不変性が優先することが分かる。
5.3 非対称性は何によって成立するのか
ここで重要なのは、この非対称性が単なる概念上の定義によって成立しているのではないということだ。
それは、構成要素と構造的秩序に対して異なる変化が許容されるという、具体的な成立条件から導かれている。
構成要素の物質的同一性は変化しても個体の同一性を維持できる。
しかし、個体を成立させる構造的秩序が失われれば、個体の同一性は維持できない。
したがって、同一性決定という規定次元では、構造的秩序が構成要素の物質的同一性に対して非対称的な優先性を持つ。
この関係を次のように表す。
S* ≻id X
ここで、
- S*:個体を成立させる構造的な不変性。
- X:個体を構成する具体的な構成要素の物質的同一性。
- ≻id:同一性決定上の優先関係。
この記号は、構造的秩序が時間的に先行することを意味しない。
また、構造が構成要素から独立した実体として存在することも意味しない。
それは、何が同一の個体として存続するのかを決定する規定次元において、構造的秩序が構成要素の物質的同一性よりも優先することを意味する。
5.4 なぜこれは単なる相互依存ではないのか
ここまでの議論に対して、次の反論が考えられる。
構造的秩序が構成要素の同一性に優先するとしても、構造的秩序そのものは構成要素によって実現されている。
したがって、両者は結局、相互に依存しているのではないか。
確かに、そのとおりである。
構造的秩序は、具体的な構成要素とその相互作用なしには現実に実現されない。
しかし、ここで問題にしているのは、構造が構成要素に依存しているかどうかではない。
問題は、構成要素の存在・物質的同一性と、複合個体の同一性を決定する条件とのあいだで、どちらがどの規定を説明するのかということである。
構成要素は、構造の具体的な実現に必要である。
一方、構造的秩序は、構成要素がその複合個体の部分として何であるのか、また、どのような変化が個体の同一性と両立するのかを規定する。
したがって、
- 構成要素は、構造の具体的実現に対して構成的に必要である。
- 構造的秩序は、複合個体の同一性決定に対して基礎づけ上優先する。
この二つは矛盾しない。
なぜなら、前者は構造の具体的な成立に関する関係であり、後者は個体の同一性を決定する関係だからである。
相互構成とは、相互に同じ意味の基礎づけを行うことではない。
具体的な実現における相互依存と、同一性決定における非対称的な基礎づけが、一つの存在論的な事態のなかに成立しているのである。
6.非対称的な優先性を形式的に証明する
ここまでの議論を、定理としてまとめよう。
定義1:構造的秩序
構造的秩序S*とは、差異化された契機M、構成的関係R、制約Kによって成立する関係的な形式であり、統一条件Uを満たすものとする。
定義2:構造の具体的実現
構造の具体的実現sとは、構造的秩序S*が具体的な構成要素x₁、x₂、…とその相互作用によって現実に成立している状態である。
定義3:構造的同一性
ある複合個体Iの構造的同一性とは、その個体を同一の個体として成立させる関係的・制約的な不変性S*である。
定義4:許容変化
許容変化とは、構成要素の物質的同一性や個々の状態に変化を与えても、構造的秩序S*を維持する変化である。
定義5:同一性決定上の構造的優先性
構造的秩序Sが構成要素Xに対して同一性決定上の優先性を持つとは、構成要素Xの物質的同一性が変更されてもSが維持される限り複合個体Iの同一性が維持され、反対に、S*が失われた場合には、構成要素Xが維持されていてもIの同一性が維持されないことを意味する。
定理:相互構成における非対称的な基礎づけ
構造的な全体が、構成要素の交代や変化を許容しながら一定の関係的・制約的な秩序によって同一の個体として成立する場合、その構造的秩序は、構成要素の物質的同一性に対して、同一性決定上の非対称的な優先性を持つ。
証明
ある複合個体Iが、構造的秩序S*と、それを具体的に実現する構成要素Xによって成立していると仮定する。
まず、構造の具体的実現を考える。
S*が現実に成立するためには、構成要素Xとその相互作用が必要である。
したがって、Xを欠いた具体的な実現は成立しない。
この意味で、XはS*の具体的実現に対する構成条件である。
次に、個体Iの同一性を考える。
仮定によれば、Xの物質的同一性を変更しても、S*が維持される限りIは同一の個体として存続する。
したがって、Xの物質的同一性は、Iの同一性にとって必要条件ではない。
一方、S*が変更され、Iを成立させていた関係的・制約的な秩序が失われる場合、Xが物質的に維持されていてもIの同一性は維持されない。
したがって、S*はIの同一性にとって構成的な必要条件である。
ここから、次の二つが成立する。
第一に、XはS*の具体的実現に必要である。
第二に、S*はIの同一性を決定するために必要であり、Xの物質的同一性はその同一性決定の必要条件ではない。
この二つは、異なる規定次元に属している。
したがって、S*がXから独立した実体として存在する必要はない。
それでも、Iの同一性決定という規定次元においては、S*がXの物質的同一性に対して優先する。
ゆえに、
S* ≻id X
が成立する。
証明終。
この定理が示すこと
この証明で重要なのは、構造が構成要素に依存していることを否定していない点である。
むしろ、構造が構成要素によって具体的に実現されることを認めたうえで、同一性決定における非対称性を導いている。
つまり、相互構成と非対称的優先性は両立する。
そして、その両立を可能にしているのは、構成関係と個体化関係が異なるというだけでなく、両者が異なる変化可能性と同一性条件を持つことなのである。
7.構造的全体の対称性は、非対称的優先性を否定するのか
ここで、もう一つの重要な反論を検討しよう。
ある構造が対称的であり、内部のどの項も他の項より優先していない場合、そこに非対称的な優先関係を導入することはできないのではないか。
この反論は正しい部分を持っている。
実際、構造内部のすべての項が同じ役割を持ち、交換可能であるならば、特定の項を他の項よりも第一のものとして位置づける根拠はない。
しかし、ここで区別しなければならないのは、次の二つである。
- 構造内部における個々の項同士の優先性。
- 構造的秩序と構成要素の物質的同一性とのあいだの優先性。
完全に対称的な構造において、個々の項同士の優先性が成立しないとしても、構造的秩序が構成要素の物質的同一性に対して優先する可能性は残る。
例えば、完全に対称的な位置を持つ複合個体を考える。
その内部の各構成要素は、構造的には同じ役割を持つかもしれない。
この場合、どの構成要素も他の構成要素に対して第一ではない。
しかし、構成要素が交代しても、その対称的な関係秩序が維持されるならば、複合個体は同一の個体として存続しうる。
一方、その関係秩序が破壊されれば、同じ構成要素が残っていても、同一の個体としての存続は失われる。
ここでは、特定の構成要素の優先性は成立していない。
しかし、構造的秩序の優先性は成立している。
したがって、対称性は、構造内部の特定の項に第一性を与えないだけであり、構造と構成要素とのあいだに成立する優先性まで否定するものではない。
この区別によって、構造的個体化存在論は、あらゆる構造に特定の中心項が存在すると仮定する必要がなくなる。
「第一性の遡及的成立」が問題にするのは、必ずしもある項が別の項よりも中心的であることではない。
むしろ、構造内部において何が同一性を決定するのかという規定次元における、非対称的な優先関係である。
なお、構造が対称的である場合だけでなく、構成要素の交換を許容しないような構造も考えられる。
そのような構造については、構造的秩序と構成要素とのあいだの同一性決定上の非対称性を、交換可能性から導くことはできない。
したがって、本稿の定理は、あらゆる相互構成に無条件に適用されるものではない。
構成要素の物質的同一性と構造的秩序の不変性が異なる同一性条件を持つ、構造的に個体化された複合体に適用される。
この限定によって、非対称性を根拠なく普遍化することを避けられる。
8.なぜこの優先性は、構造の独立性を意味しないのか
ここで、最も重要な誤解を取り除いておきたい。
構造的秩序が構成要素よりも優先すると述べると、構造が構成要素から独立した実体として存在し、それらを外部から支配しているように理解される可能性がある。
しかし、それは本理論の主張ではない。
構造的秩序は、構成要素から独立した実体ではない。
それは、構成要素とその相互作用によって現実に成立している関係的な秩序そのものである。
したがって、構造の優先性とは、独立した存在者としての優先性ではない。
それは、個体の同一性を決定するという特定の規定における優先性である。
ここで、二つの命題を区別する必要がある。
命題A
構成要素が存在しなければ、構造の具体的な実現は存在しない。
命題B
構成要素の物質的同一性が維持されても、構造的秩序が失われれば、その複合個体の同一性は維持されない。
命題Aは、構造の具体的実現に対する構成要素の必要性を示す。
命題Bは、複合個体の同一性に対する構造的秩序の必要性を示す。
この二つの命題は、相互に否定し合わない。
なぜなら、一方は構造が現実に成立するための条件を示し、他方は構造によって個体化された全体が何であるかを決定する条件を示しているからである。
したがって、構造は構成要素から独立して存在する必要はない。
それにもかかわらず、構成要素の物質的同一性よりも、構造的秩序が優先することは可能である。
このような優先性は、実体的な優先性ではなく、構成的・同一性決定的な優先性である。
そして、これこそが「第一性の遡及的成立」に必要な非対称性である。
9.相互構成から遡及的成立へ
ここまでで、構造と構造項の相互構成から非対称的な優先性がどのように成立するのかを示した。
ここで、この成果を「第一性の遡及的成立」の中心問題に接続しよう。
これまでの議論では、第一性が関係的に成立することと、個体性が構造的に成立することを区別してきた。
今回の論証によって、その両者を結びつける媒介が明らかになった。
それは、構造的秩序が個体の同一性を決定するという非対称的な基礎づけである。
この関係を改めて整理しよう。
第一に、構造は、差異化された契機とその相互関係によって具体的に実現される。
第二に、構造は、その内部にある契機の位置と役割を規定することによって、それらを個体化する。
第三に、構造内部の個体性は、構成要素の物質的同一性ではなく、構造的秩序の維持条件によって決定される。
第四に、この非対称的な同一性決定関係によって、構造的秩序は構成要素に対して優先的な位置を占める。
ここで初めて、構造が構造項を個体化することと、構造が構造項に対して優先性を持つことが、一つの論理的な連鎖として接続される。
9.1 第一性は、構造の外部から与えられるものではない
従来の考え方では、第一のものは、すでにそれ自体で第一性を備えたものとして想定される。
そして、そのものが他のものとの関係に置かれることで、第一性が確認されると考える。
しかし、今回の論証からは、異なる理解が導かれる。
あるものが第一のものとして成立するためには、そのものが構造内部でどのような位置と役割を持つのかが規定されなければならない。
その規定は、構造全体の関係的秩序によって成立する。
したがって、第一性は、構造に先立って独立に所有される属性ではない。
それは、構造内部で成立する非対称的な優先関係である。
9.2 遡及的に成立するのは、項の構造的な同一性と優先的位置である
ここで、遡及性の意味をさらに厳密にできる。
構造項は、構造の具体的な成立に参与する。
しかし、その項が構造内部において何であるかは、構造的秩序によって規定される。
つまり、構造項は、構造を成立させる側面では構成的な契機でありながら、構造が成立した存在論的な秩序の内部では、その構造によって個体として規定される。
ここで成立するのは、時間的な前後関係ではない。
構造の成立後に、過去の項が時間的に作り変えられるわけでもない。
遡及的に規定されるのは、項がその構造において占める位置、役割、同一性条件、そして優先的な位置づけである。
構造が成立することによって、構造項は、その構造において何であるのかを確定される。
そして、その構造内部における非対称的な優先関係によって、何が第一のものとして成立するのかが確定する。
したがって、遡及的成立は、単に後から関係が認識されることではない。
構造的な秩序が成立することによって、その構造を構成する契機の個体としての規定と、構造内部での優先的位置が成立することなのである。
10.論証Ⅱの最終定式化
ここまでの議論を、構造と構造項の相互構成に関する最終的な命題としてまとめよう。
基本定義
定義1:差異化された契機
差異化された契機mとは、独立した個体として完成していることを前提せず、構造内部において他の契機と区別される位置や役割を持つものをいう。
定義2:構造的統一条件
Uとは、差異化された契機Mが構成的関係Rを通じて連結され、それらの位置や役割を規定するために必要な関係と制約が、その領域の内部に閉じていることをいう。
定義3:構成関係
Cとは、差異化された契機とその相互作用が、構造の具体的な実現を成立させる関係をいう。
定義4:個体化関係
Iとは、構造的秩序が、その内部にある契機の位置と役割を規定することによって、一定の同一性を持つ個体として成立させる関係をいう。
定義5:構造的な不変性
Σとは、構成要素の物質的同一性や個々の状態が変化しても、構造を同一のものとして成立させる関係的・制約的な形式をいう。
定義6:非対称的な優先性
構造的秩序Σが構成要素Xに対して同一性決定上の優先性を持つとは、Xの物質的同一性が変更されてもΣが維持されれば個体Iの同一性が維持される一方、Σが失われればXが維持されていてもIの同一性が維持されないことをいう。
基本命題
命題Ⅰ:構造の具体的成立
構造の具体的な実現は、差異化された契機とその相互作用によって成立する。
命題Ⅱ:構造的個体化
構造内部の契機が一定の個体として成立するためには、その位置と役割を規定する構造的秩序が必要である。
命題Ⅲ:構造的統一
構造的全体の統一性は、独立した統一者によって与えられるのではなく、差異化された契機の連結性と構成的閉包性によって成立する。
命題Ⅳ:構造的優先性
構成要素の交換や変化が可能であり、その変化を通じても構造的な不変性が維持される場合、構造的秩序は、構成要素の物質的同一性に対して同一性決定上の優先性を持つ。
命題Ⅴ:相互構成と非対称性の両立
構造の具体的実現が構成要素に依存することと、構造的秩序が構成要素の個体性や複合個体の同一性を規定することは、矛盾しない。
なぜなら、前者は構造の現実的な成立に関わり、後者は構造内部の個体化と同一性決定に関わるからである。
中心定理:相互構成における非対称的基礎づけ
構造と構造項は相互に構成的な関係にある。しかし、構造の具体的な実現に対する構造項の構成的依存と、構造項の個体性および複合個体の同一性に対する構造的秩序の基礎づけは、同一の関係ではない。
構造項は、その作用と関係によって構造を具体的に実現する。一方、構造は、その内部の位置と役割を規定することによって構造項を個体化し、さらに構造的不変性によって複合個体の同一性を決定する。したがって、構造と構造項は相互構成的でありながら、個体化および同一性決定という規定次元において、構造的秩序が構成要素の物質的同一性に対して非対称的な優先性を持つ。
結論――相互構成の内部に第一性が成立する
本稿では、構造と構造項の相互構成から、非対称的な優先性がどのように成立するのかを論証した。
まず、構造を構成する差異化された契機と、構造内部で個体化された項とを区別した。
この区別によって、構造を構成するために、すでに完成した個体の集合を前提する必要はないことが明らかになった。
次に、構造的全体の統一条件Uを、独立した統一原理ではなく、構成的関係の連結性と閉包性として定義した。
これによって、構造的全体の統一性を説明するために、別の統一者を措定する必要はなくなった。
さらに、構造の具体的な実現と、構造内部の個体の同一性決定とを区別した。
構成要素は構造の具体的な実現に必要である。
しかし、複合個体の同一性は、構成要素の物質的同一性ではなく、構造的秩序の不変性によって決定される場合がある。
この非対称性によって、構造と構造項の相互構成は、単純な相互依存に還元されなくなる。
ここで、改めて今回の成果を整理しよう。
第一に、構造項は構造を構成する。
構造的な契機とその相互作用がなければ、構造の具体的な実現は成立しない。
第二に、構造は構造項を個体化する。
構造項がその構造において何であり、どのような位置や役割を持つのかは、構造的秩序によって規定される。
第三に、構造的秩序は構成要素の物質的同一性に対して優先性を持つ。
構成要素が交代しても構造的秩序が維持されれば個体は存続しうるが、構造的秩序が失われれば、構成要素が残っていても同一の個体としての存続は保証されない。
この三つを同時に成立させることによって、相互構成と非対称的優先性の両立が証明された。
そして、この成果は「第一性の遡及的成立」にとって決定的な意味を持つ。
第一性は、構造と無関係に、ある項が先行して所有する属性ではない。
その項が構造内部でどのような位置と役割を占め、何がその個体性を成立させているのかによって規定される。
つまり、第一性を成立させるものは、第一性を担う項から独立した何かではない。
しかし、第一性を担う項の物質的同一性と、その項の第一性を決定する構造的秩序とは、同じものでもない。
ここに、相互構成の内部に成立する非対称性がある。
構造は構造項によって実現される。
しかし、構造項がその構造において何であるか、そして何が第一のものとして成立するのかは、構造的秩序によって決定される。
この関係を、存在論的な独立性と取り違えてはならない。
第一性の成立根拠は、構造の外部に存在するのではない。
それは、構造と構造項の相互構成の内部に成立している。
したがって、第一性は相互構成を排除することで成立するのではない。
相互構成の内部で、同一性を決定する規定の非対称性として成立するのである。
これによって、「第一性の遡及的成立」の論証Ⅱは完成する。
構造的個体化存在論が、なぜ独立した個体の集合ではなく、差異化された構造的全体を基礎とするのかは、前回の論証Ⅰによって確定した。
そして今回、その構造と構造項が相互構成的でありながら、なぜ構造的秩序が個体化と同一性決定において優先するのかを明らかにした。
これらを統合すれば、理論の中心的な存在論的順序は、次のように表すことができる。
構造的全体の成立
↓
構造項の個体化
↓
構造内部における非対称的優先性の成立
ただし、この順序は時間的な生成の順番ではない。
構造的全体は、構造項と無関係に先に存在するのではない。
また、構造項は、構造が成立した後に初めて時間的に存在し始めるのでもない。
それぞれは、異なる規定次元において相互構成的に成立している。
その相互構成の内部で、個体の同一性を決定するという規定次元において、構造的秩序が非対称的な優先性を持つのである。
ここに、第一性の遡及的成立の核心がある。
第一のものが、あらかじめ第一のものとして存在しているのではない。構造を構成するものと、その構造によって個体として規定されるものとの相互構成の内部で、何が第一であるのかを決定する非対称的な秩序が成立する。
第一性は、この秩序から独立して存在するのではない。
それゆえ、第一性は構造との関係において初めて成立し、その成立根拠は構造全体の秩序を通じて遡及的に確定するのである。



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