第一性の遡及的成立

スピノザの複合個体における構造的個体化と第一性⑭――「第一性の遡及的成立」の具体的検証

1. 分析の出発点と、最初に確認しておくべきこと今回の分析対象として、スピノザの『エチカ』第二部定理13の後に置かれた物理学的考察(以下、物理学的補論)を選ぶことは適切だと思う。特に重要なのは、複合個体の定義と補助定理4〜7、そして補助定理...
第一性の遡及的成立

相互構成の論理⑬――構造と構造項は、どのような意味で説明上の循環ではないのか

はじめに――相互構成と説明の循環を区別する「第一性の遡及的成立」を存在論として完成させるために、最後に解決しなければならないのが、構造と構造項の相互構成の問題である。これまでの議論では、四つの基本原理から、あらゆる個体的存在者が構造的な個体...
第一性の遡及的成立

構造的個体化の不可欠性⑫――なぜ限定性と差異を持つ個体性は、必ず構造的秩序を必要とするのか

はじめに今回の論証で最も重要なのは、次の推論を完成させることだ。存在者が一定の存在者として成立するためには、限定性が必要である。限定性は、その存在者が他のあり方から区別されることを意味する。しかし、区別されることと、他の存在者に依存すること...
第一性の遡及的成立

個体化根拠充足原理の正当化⑪――なぜ個体性を無根拠な事実として置くことを拒否するのか

はじめに――「第一性の遡及的成立」を完成させるためにこれまで私は、「第一性の遡及的成立」という哲学理論を構築し、その存在論的基礎として、あらゆる存在者が構造的な個体化根拠を必要とするという立場を提示してきた。この理論の中心的な主張は、ある存...
第一性の遡及的成立

第一性の遡及的成立⑩――構造的個体化存在論の構築

はじめに――「順番の転倒」から存在論へこれまで私は、「第一性の遡及的成立」という哲学理論を構築してきた。最初の着想は、あるものが特定の構造において第一のものとして成立するためには、その構造との関係は、単に第一性を認識するための条件なのか、そ...
第一性の遡及的成立

第一性の遡及的成立の普遍性⑨――ヘーゲルの存在論的論理学と原始的個体性をめぐる考察

はじめに――普遍命題をさらに強固にするために「第一性の遡及的成立」という哲学理論を普遍命題として確立するためには、これまで残されていた二つの難問を解決しなければならなかった。第一に、ヘーゲルの論理学におけるカテゴリーの展開は、思考のカテゴリ...
第一性の遡及的成立

無規定な単一性は存在者たりうるか⑧――ヘーゲルの『大論理学』から導く「第一性の遡及的成立」の普遍命題

はじめに――無規定な単一性は存在者たりうるか「第一性の遡及的成立」という哲学理論を普遍命題として確立するためには、これまで残されていた一つの難問を解決しなければならなかった。それは、あらゆる自己完結的な存在を含めて、存在者が例外なく構造によ...
第一性の遡及的成立

自己完結性と内在的構造⑦――「第一性の遡及的成立」の存在論的基礎づけ

はじめに――第一性の遡及的成立は存在論にまで到達できるかこれまで「第一性の遡及的成立」という哲学理論について考察を重ねてきた。この理論の出発点にあるのは、あるものが第一のものとして成立するためには、それ自身の内部に備わった性質だけでは十分で...
第一性の遡及的成立

第一性の遡及的成立の射程と限界⑥

――存在論的第一性は構造によって成立するのかはじめに――普遍命題への挑戦本シリーズでは、哲学における「第一性」をめぐる問題を、スピノザ、ヘーゲル、ドゥルーズらの思想を手がかりに考察してきた。そこで浮かび上がってきたのが、あるものが第一のもの...
第一性の遡及的成立

第一性の遡及的成立⑤――存在論的第一性はいかにして成立するのか

スピノザ・ヘーゲル・ドゥルーズを横断する第一性の存在論はじめに――第一のものは、なぜ第一なのか哲学は、しばしば何か第一のものを探究する。あらゆる存在の根拠となるもの、認識を可能にするもの、あるいは多様な事物をひとつの秩序として理解するための...