スピノザ主義者養成マニュアル(入門から『エチカ』が読めるようになるまで)

スピノザ
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どうも、OGKです。

今回は、スピノザ主義者養成マニュアルと題して、自分自身がスピノザの哲学に対して持っている印象や、『エチカ』が読めるようになるために必要なおすすめの解説書、研究書の紹介をするまとめ記事になります。

ブックガイドで紹介している書籍については、入門レベルを超えて中級レベルくらいの感覚の書籍となります。

まずは、スピノザ入門として、講談社現代新書「スピノザ 人間の自由の哲学」吉田量彦著を読まれることをおすすめしておきます。

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また、以下で紹介している書籍については主にスピノザの『エチカ』を、その形而上学としての側面から理解することを主眼においた選書となっています。

そのため、スピノザの多面的に拡がる他の分野(例えば情動論や政治哲学など)については、ここでは想定しておりませんのでご了承ください。

スピノザ哲学は胡散臭い?

最初『エチカ』を読み終えた際に「神への知性愛」というなにやら神秘主義的な、いかにも胡散臭い言葉が目に止まりました。

その言葉だけ聞くと『エチカ』を何か非論理的なスピリチュアルな書物であると解釈してしまいそうになります。

しかし、私自身スピノザ主義者となった今、それは完全に間違いであると断言できます。

「神への知性愛」という概念の本当の意味を理解すること。

そこに至るまでの道のりはどのようなものになるのでしょうか。

スピノザ哲学は陳腐?

「神の本性の必然性から直接に帰結してくるという因果性の立場に立って事物を考えること」

私が考えるスピノザの形而上学を端的に表現する言葉です。

この言葉だけきくと、意味不明で、スピノザの哲学がとても陳腐なものに思えてしまいます。

どんなに普遍的な概念でも言葉にすると、途端に陳腐なものに思えてしまうのかもしれません。

私自身当初は、このスピノザの最終結論に対して非常に拍子抜けしてしまうような、がっかりするような気持ちになったことを覚えています。

本当にスピノザはそんな陳腐なことをいうために長々と『エチカ』を書き連ねたのだろうか。 そこにはもっと深い「何か」があるのではないのか。 いや、きっとあるに違いない。それを知りたい。

それからスピノザ関連書籍を読み漁りました。

結果から言うと、スピノザの哲学は陳腐なものでも、胡散臭いものでもありませんでした。

『エチカ』は、読者の生き方に大きな安心と穏やかさを見出すことができるように設計されています。

小手先の処世術や自己啓発ではない、スピノザ主義者として生きるという正真正銘の生き方の指針になると考えています。

スピノザのテキストだけ読んでいればいいのか?

スピノザが読めるようになるためには、「自分自身のスピノザの『読み』を確定させていくこと」という作業が必要になります。

スピノザの「読み」を確定させるためには、スピノザ自身のテキストだけではなく、研究者の解説書、研究書にあたることが絶対に必要であると考えています。

哲学に効率を求めるな、と言われてしまいそうですが、スピノザのテキストだけをただひたすらに読んでいても効率が悪いといいますか、やはりこれまで先人が研究してきた成果の上に、さらなる思想の発展があると考えるからです。

何よりも優先して、ベーシックなスピノザ解釈というものを第一に知っておくことが重要である、と考えています。その上でさらなる自分なりの解釈、「読み」というものが出てくるものではないでしょうか。

私的に考えるスピノザ哲学への最短の接近方法は、以下に挙げる研究書をスピノザ自身のテキストと読み比べながら何度も何度も徹底的に読み込むことです。これに尽きると思います。

私自身そのようにして、スピノザを読んできました。

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読みこなすのに時間がかかるのは間違いなく「個と無限」です。

独特の読みづらさがあります。

ですが、丁寧に時間をかけて、スピノザのテキストを参照しながら精読してみてください。

必ず理解できる論理構成になっています。

この四冊が本当に読みこなせたと思えた時には、冒頭でお伝えしたスピノザのベーシックな解釈について、一定の理解ができていると実感できるのではないでしょうか。(私自身そうでした)

当記事の冒頭で問題提起をした「神への知性愛」という概念の理解に関しては、現在進行形でさまざまな解釈が試みられており、決して確定的な「読み」というものが定まっているわけではありません。

それでもここまで来れば、少なくとも「神への知性愛」が陳腐でも胡散臭いものでもないということは理解できるのではないでしょうか。

そして、確定的な「読み」が定まっておらず、各読者の解釈に委ねられている部分があるからこそ、各時代においてさまざまな解釈が試みられてきたのでしょう。

そこも含めてスピノザ哲学のおもしろさとなっているように感じています。

「神への知性愛」については別記事に自分なりの解釈をまとめていますのでそちらも参照してみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。

私自身にとってスピノザの哲学を学ぶ上で欠かすことのできない書籍を紹介させていただきました。

これからスピノザに本格的に取り組まれる方にとっては、決して避けて通ることはできないスピノザ解釈の基礎中の基礎です。

一度マスターできれば、これらの書籍に何度でも戻ってくることができます。

スピノザの哲学には、一度その魅力にはまってしまうと抜け出せないような中毒性のようなものがあります。

またこれまでスピノザを読んできて、その哲学は穏やかで大きな安心感につながるような人生観をもたらしてくれるものである、ということを私の印象として最後に強調しておきたいと思います。

ではまた。

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