大学時代、沖正弘『ヨガの喜び』を読んで実践していた。
当時は自分の体調が整っていることは当たり前で、朝起きた一番にこの本に載っているヨガのポーズを行ってから1日を始めることが習慣になっていた。
その時は自分の体調が整っていること、1日気分良く過ごせることは自然で、特別しあわせなことではなかった。
月日は流れ、社会人になって十数年。
今の私はどうか。
日々なにかしらの体調不良や睡眠障害に悩まされ、体調の良い日の方が少ないような有り様になってしまっている。
確かに歳はとった。とったにはとったが、あまりにも心身ともに不調が続きすぎていないだろうか。
『みんなこんなにも不調を抱えて生きてるの?』
そう愚痴りたくもなるほどに次から次に体調不良が私を襲うので、ほとほと疲れ果てていた。
ふと、大学時代にこの本を読みながら自己流でヨガをやっていたことを思い出した。
当時の体調を思い返してみると今とは全然違う。
不調というものがどういうものかすらわからないほどに心身ともに健康だったなと思い出された。
大学時代の自分にとっては、この本に書いてある内容を実践することに馴染みきっていて、この本の効能や、心身の健康について過小評価していたのかもしれない。
もう一度大学時代に戻ったつもりでこの本に取り組んでみようと決意した。
効果はすぐに現れた。
まず睡眠の質。
今までより圧倒的に呼吸がしやすい。
あきらかにこれまでより呼吸が深く長くなっている。
『呼吸がしやすいと眠れる』ということにも改めて気づかされた。
次に『何か自分にとって価値のあることで時間を埋めなければならない』という強迫観念から解放された。
哲学やラテン語の勉強をしなければならないという強迫観念。
思うようにできなかった時や、サボったときに自分を責めて、本来趣味であるはずの哲学が義務になってしまっていたのかもしれない。
そのような感情が不思議と自分の中から消えている。
哲学を始めた当初のように自分の中から湧いてくる自然な興味にしたがって読書や語学勉強に取り組めるようになった。
そんな感じで、久しぶりに大学時代に戻ってヨガを再開してみたらQOL上がったよ、という話。
そして『ヨガの喜び』は、表紙は昭和感満載で若干笑えるけど、内容は至って硬派。
その後さまざまなヨガ本を読んでみたけど、結局この本に帰ってきてしまう。
これはもう自分にとって一生ものの技術を教えてくれた素晴らしい本に間違いないよ。
それだけが言いたくでこの記事書いたので皆さんよかったら読んでみてほしい。
Kindleならワンコインでお釣りくるほど安いけど、その値打ちは無限大。
もっと複雑なポーズとかたくさん載ってる本は数多あれど、正直蛇足。
基本がすべて載っている。
初学者がオーセンティックにヨガを学ぶにはこの本以上のものはないのではないか。
なにかしらの不調に悩む人には是非一度試していただきたい。
ではまた。
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